【経営支援】中小企業こそ管理会計の効果は絶大。利益体質への第一歩

経営支援

こんにちは。中小企業診断士のなかりょです。
現在はサラリーマンとして製造業で管理会計を担当しています。

この記事では、中小企業の経営者や中小企業診断士の方に向けて、「管理会計がどのように経営判断を支え、利益体質づくりに貢献するのか」をわかりやすく整理してお伝えします。

「数字に基づく判断が大事」と十分に理解しつつも、なかなか実践しづらいという声を耳にします。
管理会計は決して難しい専門領域ではなく、経営改善のための“使えるツール”です。

まずはその第一歩として、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。

なぜいま「管理会計」が必要なのか

近年、中小企業を取り巻く環境はかつてないスピードで変化しています。
原材料の高騰、電気代や人件費の上昇、為替変動、…。
外部環境の“逆風”によって利益が圧迫されるケースは、どの業界でも当たり前になりつつあります。

しかし、その一方で多くの中小企業では、

  • 売上だけは毎月チェックしている
  • 経費は「ざっくり」把握している程度
  • 粗利がどの製品・サービスから生まれているか分からない
  • 現場改善が利益にどれほど寄与しているのか判断できない

といった状態が珍しくありません。

その結果、
「忙しいのに、なぜか儲からない」
「頑張っているのに、お金が残らない」

という“盲点”が生まれてしまいます。

この盲点を埋め、利益の構造を見える化する方法こそ 管理会計 です。
管理会計とは、難しい理論だけの領域ではありません。
経営者が会社を正しく理解し、適切な意思決定を行うための“経営の道具”です。

管理会計とは何か

経営判断に必要な数字には、大きく分けて 財務会計 と 管理会計 の2種類があります。

財務会計

  • 目的:過去の業績を記録・報告すること
  • 対象:税務署や銀行など外部向け
  • 特徴:法律や会計基準に沿って作られる決算書や試算表など、形式が決まった数字

財務会計は「会社の過去の成績表」と考えると分かりやすいです。
売上や利益がいくらだったのか、税金計算や銀行向けの情報としては欠かせません。

管理会計

  • 目的:未来の意思決定に活用すること
  • 対象:社長や経営陣、現場のマネジメント
  • 特徴:形式に縛られず、自社の意思決定に必要な数字を自由に設計できる
  • どの商品やサービスが利益を生んでいるか?
  • どの部門や工程がコストを圧迫しているか?
  • 次の投資は本当に回収可能か?

こうした問いに答え、経営判断の質を高めるための数字が管理会計です。

財務会計と管理会計の違いを一言で言うと、下記の通りです。

財務会計=過去の記録
管理会計=未来の意思決定

中小企業に管理会計が有効な理由

中小企業ほど管理会計の効果が大きい理由は大きく3つ挙げたいと思います。

小さな改善が利益に直結する

中小企業は固定費や原価の影響を受けやすく、
1%の改善でも利益インパクトが大きいのが特徴です。

例:

  • 歩留まりが1%改善しただけで利益率が上昇
  • 段取り時間が10分短縮されただけで年間数十万円の削減
  • 値引きをやめるだけで粗利が改善

管理会計があれば改善の優先順位が数字で明確になります

「どこを改善すれば一番効果が出るか?」
がはっきりするため、“闇雲な改善”がなくなります。

赤字製品・赤字顧客が一目でわかる

財務会計では“合計の利益”しか見えません。

しかし実態は、

  • 売上は大きいのに、実は粗利がほとんどない
  • 特定の顧客だけ赤字になっている
  • 一つの作業工程だけ原価を押し上げている

といった“局所的な赤字”が潜んでいることは多いです。

商品別・顧客別の粗利を出すだけで、
本当に維持していく事業と、見直すべき事業が明確に分かります。

社長と現場が同じものを見るようになる

管理会計を導入すると、
数字が“共通言語”になります。

「歩留まりを上げよう」→なぜ?
「残業を減らそう」→どの工程が原因?
「この案件はやめたい」→どれくらい赤字?

感覚ではなく数字を根拠に会話ができるため、
“納得感”を伴いながら改善が進みます。

結果として
社長の意図が伝わり、現場が動く組織に変わるという効果も生まれます。

中小企業がまず取り組むべき管理会計

ステップ1:粗利の「細分化」

まず取り組むべきは 粗利(=売上−変動費)の分解 です。

  • 商品別
  • 顧客別
  • 営業担当別

たったこれだけで、
「儲かる」「儲からない」が数字で見えるようになります。

ステップ2:変動費と固定費を分けて利益構造をつかむ

混ざってしまいがちなコストを整理し、利益構造=損益分岐点を把握します。

  • 固定費がいくらなのか
  • どの売上ラインで黒字になるのか (損益分岐点売上高)
  • 売上の増加がどこまで利益につながるのか

これが分かれば、
無理のない売上目標と適正な値決めができるようになります。

ステップ3:主要KPIを設定して改善を“数字化”

現場改善を利益につなげるためには“測定”が欠かせません。

例:

  • 製造:歩留まり、段取り時間、不良率
  • サービス:稼働率、作業時間
  • 営業:商談数、成約率、粗利額

このKPIを設定し、
「改善 → 数字の変化 → 利益への影響」
という流れを作ることで、改善活動が継続しやすくなります。

まとめ

管理会計は難しい理論ではなく、
“会社を正しく見るためのツール”のようなものです。

外部環境が厳しくなる中で、
売上を追うだけの経営”から”利益を生む経営”へと転換する。
その第一歩が管理会計です。

この記事が少しでもお役に立てましたら嬉しいです。

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